[読書メモ][Kindle]『IT時代の震災と核被害』

2010年7月に、ヤフージャパンがグーグルの検索エンジンを導入したことにより、日本における検索エンジンのシェアは、グーグル1社が90%以上を占める状態となった。(Loc 409)

一般にガイガーカウンターは他の測定機器に比べ、出荷時の状態であっても非常に誤差の大きい測定機器であることがわかっています。(Loc 1668)

人々がパニックを起こす事態を恐れるあまり、リーダー自身がパニックになることがあり、これは「エリートパニック」と呼ばれています。(Loc 3326)

3・11の最大の教訓は、日本人には統治能力がないことを明らかにしたことだと思うんです。じゃあ、どうすればいいか。日産がカルロス・ゴーンを呼んだみたいに、外国人を入れたらどうかと思うんですよ。日本って危機のときは、「外国からの輸入」という形でしか改革できない国でしょう。(Loc 3695)

あんなでかい事故を起こした後、これからも原子力発電をやり続けますと言うのは反省の色がない愚か者にしか見えない。(Loc 3843)

脱原発とは別の位相で、核技術には今後もつきあっていかなければならないことも確かですよね。(Loc 3845)

日本には外交強国になる素質はあると思うんです。その一つは文化で、たとえば皇室というワイルドカードを持っているわけですよ。あるいは、あまり日本人は意識してないですけど、日本は世界の中ではじつはかなり古い文字資料を残している国ですよね。万葉集は8世紀に編まれている。(Loc 3862)

もう一つ、短期間で外交力を上げるリソースがあって、それは国民の支持なんですよ。外交に行く新しい首相に高い支持率があったら、相手も耳を傾けるんです。そうしないと、相手国の国民から反発されるから。でも、首相が毎年交代するようじゃ、向こうも本気になりませんよね。(Loc 3867)

その象徴的な例が、日本にはブリティッシュ・カウンシルやゲーテ・インスティテュートのような、日本文化や日本語を外国で教える機関が文化庁にも外務省にもないことです。(Loc 3906)

ヨーロッパやアメリカの記者であれば、実名でツイッターアカウント作るのは当たり前なのに。(Loc 3992)

ここ最近の日本の動きを政治も踏まえて見ていると、20年、30年かけたら逆に止まらない。むしろ、バッと一度に止めないと、日本は変われないんじゃないかな、と考えを変えました。(Loc 4035)

20年かけてしまうと、年金問題じゃないけれどもうやむやになって、結局続いてしまう。ならば一気に止める。(Loc 4036)

これだけの事態が起こったにもかかわらず、日本人って〝変わりたくない〟と考える人がすごく多いと実感します。(Loc 4041)

社会学者の宮台真司さんも言ってましたが、行政というのは基本的に平時という前提で作られた機関です。緊急時の対応は難しい。(Loc 4098)

確かに日本の記者たちは大手メディアもフリーランスも含めて、総じて初動が遅いですね。やっぱり競争環境に問題があるのだと思いますが。(Loc 4178)

原発に批判的な記事を書いたりすれば、その後の取材で様々なデメリットがその記者自身やその記者が所属する報道機関に生じかねない。(Loc 4276)

日本の新聞では、記者が自分で取材したことを自分の意思どおりに発表する権利を持っていないんですよ。(Loc 4327)

ネットの普及でメディアが多様化すると、政府が出す情報でさえ相対化されるようになるから、たとえ政府であっても変にオブラートに包んだ状態の情報を出すのではなく、ありのままの情報を出して欲しいと考える人が増えてきていると思います。(Loc 4377)

そのへんをごちゃまぜにして道徳論で議論してしまうと、情報のやり取りでボトルネックができてしまう可能性がある。(Loc 4434)

グーグル検索の表示は基本的に人気投票の結果みたいなものですが、関心が高いものが上位に出るという構造はマスメディアもそうだったんです。(Loc 4534)

マスメディアは特殊中の特殊とおっしゃったのは確かにそのとおりで、マスメディアってまだ世代交代してないんですよ。新聞の歴史は長いんだけれど、いわゆる大衆消費社会で経済的に成り立ったマスメディア型新聞モデルというのは、20世紀に入って成立し、いまもその延長にあって要するにまだ第1世代、一通りしか試されていないんです。それしか例がないがゆえに、他のことが考えにくい。(Loc 4565)

太陽光が得意な地域は太陽光、風力が得意な地域は風力とやっていくと、システム全体に余力が出てくる。インターネットと同じで、どこか一カ所に打撃があっても、システム全体には波及しない。非常に強固な、ネットワーク型のエネルギー供給システムができるわけです。(Loc 4870)

あまりにも軽い、いわばデンツー的な思考停止の産物が「安全・安心」の連呼です。(Loc 5012)

原子力発電っていうのは、核分裂をゆっくりとコントロールする、もしくは止める技術なんだよ。(Loc 5161)

東大の上野千鶴子が最終講義で、「私は、原発事故が起こってから『反省した』『変わった』などという人は一切信用しない」みたいなことを言ってる。(Loc 5319)

やっぱりなにか重大な出来事が起きれば、人間って変わる。それを「信用しない」なんていったら、思想の領域で言えば「転向」を否定するのと同じことで、学問は狭くなるよ。(Loc 5322)

C悪玉説なんて原発産業の回し者が考えたペテンだよ。(Loc 5346)

グーグルやアマゾンなど、巨大データセンターを抱える最先端IT企業の死活問題は電力らしい。(Loc 5507)

われわれの1回の検索で、巨大データセンターでは0・3ワット消費、という試算もあるらしくて、膨大な検索は、実は膨大な電力を必要としている(Loc 5509)

ITが社会に広まったことで、われわれはあらゆる分野において、氷山の一角レベルの情報へなら簡単にアクセスできるようになった。(Loc 5599)

原発についての意見表明は原発推進か反原発かという二項対立図式に回収されがちです。(Loc 5641)

災害社会学者キャスリン・ティアリーの言うエリート・パニック──民衆がパニックに陷ると不安になった政権が強迫的に情報を抱え込む事態(Loc 5658)

人間関係資本(ソーシャルキャピタル)が乏しくて子供や母親を疎開させられない孤独な人々が、疎開の必要を突きつける僕や津田さんのツイートを、デマとして解釈したがったことが分かります。(Loc 5680)

自分の変えられない属性に引きずられる形で認知の全体を歪める心理的傾向があるとする理論です。(Loc 5683)

日本はかつてあった地域共同体が壊滅していますので、宗教的アソシエーションが重要にならざるを得ない状況にあります。(Loc 5697)

末端ディストリビューション(Loc 5700)

経済資本と社会資本(人間関係資本)のリンクが強すぎる状態こそが、社会的空洞化(共同体空洞化)なのです。経済的失敗のセーフティネットを社会が提供できないのですから。(Loc 5709)

オンラインでのみつながった人に子供を預けて疎開させることはありえません。(Loc 5716)

データの評価を政府に依存するような態度は、市民社会にとって自殺行為だと心得るべきです。(Loc 5739)

情報発信側が「君たちのレベルはこの程度」と低いレベルに合わせて発信すれば、社会は知識社会化しません。むしろ不完全情報ゆえの不安が社会を覆い始めます。(Loc 5766)

日本社会には〈依存〉が蔓延しています。国民も政治家も行政官僚制に〈依存〉しすぎ。巨大システムに〈依存〉し過ぎ。自明性に〈依存〉しすぎです。非常時には行政官僚制も動かず、巨大システムも故障し、自明性も失われます。そのとき、共同体自治を通じた〈自立〉が問われます。(Loc 5776)

〈任せて文句垂れる作法〉でなく〈引き受けて考える作法〉が大切です。(Loc 5779)

これは、発電・送電・配電に要する全コストの3%を利益として取ってよいとする制度です。これだとコスト圧縮動機が働きません。コスト圧縮で利益の3%分も圧縮されてしまうからです。(Loc 5822)

日本が〈知識を尊重する社会〉ならざる〈空気に縛られる社会〉であることは戦前から微塵も変わっていません。(Loc 5868)

ドイツでは少しでも納得できなければ納得できるまで質問することが徹底的に奨励されます。日本では逆です。他の生徒たちが質問していないのに質問し続けるのはお前が馬鹿だからだという具合に扱われます。(Loc 5894)

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