執筆に Wiki を活用する

私はブログや書籍の執筆には Mac の Scrivener を使っている。

Scrivener | Literature & Latte
www.literatureandlatte.com/scrivener/overview

Scrivener は多機能なアプリだけど、私はフルに機能を使っておらず、単に左側にツリーが表示され右側に文章を書くというシンプルな構成が気に入っている。Scrivener を使うと不思議とすいすい文章が書けてしまうのだ。

そして Scrivener が書籍の執筆に向くのは、ePub やテキストへの書き出しが容易であること。ePub に書き出せば、そのまま Amazon の Kindle 出版用のファイルとしてアップロードできる。テキスト等へ書き出せると、DTP アプリケーションの Adobe InDesign に取り込めるので、紙の書籍への展開もしやすい。

このように、ライターとして Scrivener がいかに手放せないアプリケーションかがお分かりいただけるだろうか。

ただ一つ不満なのが iPad との連携だ。私はどこへ行くにも iPad を持ち歩くので、iPad で執筆ができるようになるとノマドワーキングが実現できる。家では Mac 、出先では iPad で執筆作業ができたら快適だ。しかし Scrivener には iOS 用のアプリがあるものの、Dropbox を介した同期がやや不安定。大事なテキストデータが壊れたりしたら非常に問題だ。

そういうわけで、仕方なく Mac の Scrivener をメインの執筆場所とし、iPad はちょっとした執筆だけに使っている。

iPad では Google Keep に文章を書き、それを Mac の Scrivener にコピペで統合するという、少し面倒な方法を採っている。Google Keep ですべて執筆作業をすることも不可能ではないが(オンラインエディタなので Mac・iPad 間の常時同期されるし)、しかしブログ記事程度ならともかく書籍のような大規模な執筆には向かない。

最近気になっているのが、Git による執筆だ。Git は共同でプログラミングをしたりする際に使うツールだけど、それを執筆に使う人がいることを知った。なんだか面白そう。Git は GitHub というサービスが有名だが、調べたところ GitBucket というツールを使えば、自分専用の Git が構築できる。Raspberry Pi でも快適に動くと知ったので、実際に構築してみた。

GitHub
github.com/

gitbucket/gitbucket: A Git platform powered by Scala with easy installation, high extensibility & GitHub API compatibility
github.com/gitbucket/gitbucket

GitBucket の導入は驚くほど簡単だった。初めて Git を使ってみたけど、そのシステムを理解するのは難しいです・・・。その十分に理解していないなりの私でも直感的に分かったのが、「これは執筆には向かないな」ということだった。文章を書くだけにこれだけの仰々しいシステムは不要だ。それでいて、Raspberry Pi に大事な文章のデータを預けるのは不安だし、バックアップ体制をしっかり構成するのも無駄な労力に思える。そもそも iPad での更新では日本語入力がうまく動かない。

そんなわけで、Git による執筆は諦めることにした。まあ、これで Git がどういうものか分かったし、構築の方法も勉強になったのはよかった。

ここで改めて、私に必要な執筆環境をまとめてみよう。

・Mac と iPad で簡単かつ確実に同期できること。
・Mac でも iPad でも簡単かつ集中して執筆できること。
・差分表示ができること。過去のバージョンに簡単に戻せること。
・バックアップ体制がしっかりしていること。

これらを考慮した際に思い付いたのは「Wiki でいけるのでは?」ということだった。

Wiki なら専用アプリを使わずブラウザだけで簡単に編集できるし(ブラウザの方が使いにくいという考えもあるけど)、保存と同期もほぼ安全だ。Wiki には編集履歴との差分表示もできるし、過去のバージョンに簡単に戻せる。バックアップ体制もなんとか構築できるだろう。

Wiki として最近私が愛用しているのが DokuWiki だ。DokuWiki はデータベースが不要な Wiki エンジンなので導入が簡単。それでいて MediaWiki などと同等の Wiki としての機能が使える。私はレンタルサーバーに DokuWiki をインストールして使っている。

ja:dokuwiki [DokuWiki]
www.dokuwiki.org/ja:dokuwiki

DokuWiki がどういうものかは、本ブログのサブサイトの Wiki をご覧いただけると分かる。これも DokuWiki である。

読書ナリ wiki
wiki.dokushonary.com/

各ページの実体は、実は普通のテキストファイルでできているので、FTP クライアントでダウンロードすれば InDesign への取り込みもしやすいし、Scrivener に取り込んで ePub 化してもいい。

私はバックアップスクリプトを毎日実行して Wiki のバックアップも取っているので安心だ。

実は今回のブログも DokuWiki で書いている。確かに Scrivener よりは面倒。いちいちページを作るのも多少手間が掛かる。でも、iPad でもブラウザから編集できるし、Wiki ならではのページの相互リンクも簡単だ。本を書くのに向いているんじゃないかな。

ただ、ページを体系的に並べたり、その順番を変えたりするのは多少面倒だ。ページ一覧のページを作って、そこから各ページへのリンクを貼ることになる。Scrivener は各セクションをツリー表示できるので、その作業をドラッグアンドドロップでできていたんだから、それと比べると大変といえば大変だ。これに関しては、パソコン上で(iPad ではなく)最初に一気にページを作っておいたりする工夫が必要だろう。

次の本は Wiki で書いてみることに挑戦しようかなと思う。多少やりにくさもあるけれど、面白いと思う。

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