[読書メモ]『父親の科学―見直される男親の子育て』

p28
卵を産み落とすとき、そのウミガメは他の母ガメがそうするように、目から透明な液体を流した。言い伝えによると、自分が決して知ることのない子たちのことを思って涙を流しているのだという。私たちは心を動かされ、じっと砂浜に立ち尽くしその様子を見つめていた。しかし、その分泌物は涙ではない__体内にたまった余分な塩分を排出しているにすぎないのだ。ワニもまた偽りの涙を流すが、装われた悲しみのことを「ワニの涙」と表現するのは、ここから来ている。

p37
アメリカ人の父親にとって、クオリティ・タイムとはしばしば、わが子と遊ぶ時間のことを指す。

pp88-89
夫と妻の言うことに注意深く耳を傾ければ、家事に積極的に関わる男性は、家事をしない男性に比べて、自分に自信をもち、家庭も円満だと考えていることがわかる。

p100
乳児の過剰な泣き行動(コリック)

p105
子育てをしたいという気持ちと、実際に子育てをすることが、常にイコールで結ばれるわけではない。これから父親になる男性に、子供が生まれたら家事と子供の世話の分担をどうするのかと尋ねると、たいていの場合、パートナーの方がやることは多いだろうが、自分も負けずにやっていきたいと答える。だが、生まれてから6ヶ月が経つ頃には、想像していた以上にパートナーの負担が重く、反対に自分はあまりやることがない、という返答が支配的になる。その理由の一つはおそらく、子供にとって父親は母親よりも重要度が低いと、当の父親自身があっけなく認めてしまう点にある。

p128
かつては、オスで「妊娠」するのはタツノオトシゴだけだと考えられていたが、近年になって、近縁のヨウジウオでも同じ現象が見られることがわかっている。

p164
眠れぬ夜を何度も過ごしているときは、これが永遠に続くのではと思うものだが、そんな時期は突如として終わりを告げる。子供は成長し、真夜中に気を落ち着かせる方法を自分で見つけていく。だからこそ、夜中に子供と一緒に過ごす時間を楽しもうと私は決めた。

p165
眠れぬ夜を過ごした翌日に職場でどんなことが起きたか__へとへとだったとか、会議をすっぽかしたとか__を、私は何一つ思い出せない。でも、子供と過ごした時間ははっきりと覚えている。

p153
親というものは子供のことで頭がいっぱいだとわかったのは別に驚くことではないだろう。

p235
私がランガムの研究に興味をそそられたのは、父親と家族に関して多く語っているだけでなく、人間の家族生活について長期的視野に立って考察し、これまで自分たちが真実だと信じて疑わなかったものを見直してみなさいと私たちを焚きつけるからだ。

p246
家庭の中で父親が果たす役割には、周囲の態度や状況など数多くの要素が影響を与えているが、なかでも注目されているのは、マターナル・ゲートキーピング〔母親の門番的行為〕と呼ばれるものだ。これは、女性によって男性の家事や育児への参加が阻まれているかもしれないという、物議をかもしている概念である。今日では女性の社会進出が当たり前になり、男性の間では子供と一緒に過ごすことへの関心が高まっているというのに、家事や育児をこなすのは相変わらず母親が中心だ。ひょっとすると、ジェンダーロールに関する因習的な考え方から、女性も男性もまだ抜け出せていないのかもしれない。しかしながら、一部の研究者によると、母親のなかにはそうした家庭内の仕事に父親が関わるのを邪魔する者がいると信じるに足る理由があるのだという。

【誤植】
p109
誤:たが、
正:だが、

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